QCDとは?PMBOKで覚えておきたい生産管理の3評価指標(QCD)を分かりやすく解説!

QCD 生産管理

QCDとは、生産管理の3評価指標で、品質(Quality)・費用(Cost)・納期(Delivery)を意味します。

そしてQCDは、後述するPMBOKの10の知識エリアに属する3つのマネジメントをそのまま反映しています。

えぷじぃ

QCDの理解が、PMへの第一歩じゃ!
QCDを正しく理解して、1歩目を踏み出しましょう!

研修生J

1. QCDとは?

QCDとはそれぞれ、品質(Quality)・費用(Cost)・納期(Delivery)を意味する生産管理の3評価指標です。

QCDは、プロジェクトを運営する上で極めて重要な3指標なので、はじめに覚えておきましょう。

えぷじぃ

QCDを制するものが、PMを制する!

1-1. 品質(Quality)

QCDのうち1つ目の品質(Quality)は、QCDで最も重要視される評価指標です。

品質(Quality)は、Quality Firstという言葉があるとおり、優先して達成されるべき評価指標となります。

要求された品質を達成しているか、仕様に定められた機能や要件を満たしているかを確認することが必要です。

INFO

Quality Firstとは

品質本位、品質第一。

1-2. 費用(Cost)

QCDのうち2つ目の費用(Cost)は、原価を意味します。

費用(Cost)には、プロジェクトであれば人件費が多くを締めるでしょう。

人月、人日換算したプロジェクトにかかる費用(Cost)は、利益に直結する重要な指標となります。

INFO

人月、人日とは

1ヶ月で完了させるために必要な人数 = 人月(1人/月)

1日で完了させるために必要な人数 = 人日(31人/日)

1-3. 納期(Delivery)

QCDのうち3つ目の納期(Delivery)は、商品・サービスを納入する期限を意味します。

納期(Delivery)は、品質(Quality)を上げたり費用(Cost)を下げると、納期(Delivery)が遅れるといったジレンマを抱えている評価指標です。

適時に適量な生産を行っているか、納期を短縮する仕組みが十分かを表します。

INFO

期待値コントロールとは

納期(Delivery)では、期待値コントロールをすることができます。

期待値コントロールとは、相手の期待値を把握、調整し、期待値を上回った成果物を提出すること。またはそのプロセス。

1-4. 番外編:QCDS

QCDは上記の3つですが、QCDSという考え方もあります。

QCDSにおけるSは、対応やサポート(Service)を意味し、納品後までを管理する考え方です。

えぷじぃ

納品がゴールではなく、その先も見ている考え方がわしは好きじゃ。

2. PMBOKにおけるQCDとは?

QCDについてざっくりと説明しましたが、QCDはそれぞれがプロジェクトマネジメントの重要な概念として存在しています。

QCDは、PMが理解しておくべき領域であるPMBOKの10の知識エリアのうち3つを表現しています。

QCDの理解がPMの第一歩とはそういうことですね!

研修生J

2-1. そもそもPMBOKとは?

そもそもPMBOK(ピンボック)とは、

PMBOK(Project Management Body of Knowledge、頭字語として「ピンボック」と読まれることがある)は、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」(英語: A Guide to the Project Management Body of Knowledge、略称: PMBOK Guide、PMBOKガイド)の略語である。

PMBOKガイドは、プロジェクトマネジメント協会(PMI) が発行している。
by wikiedia大先生

PMBOKとは、簡単にいえばプロジェクトマネジメントをする上での知識集です。

幅広くプロジェクトマネジメントのベストプラクティスを記載しているため、覚えておいて損はないものばかりです。

そんなPMBOKの以下の3知識エリアが、今回のQCDを反映しています。

2-2. 品質マネジメント(Quality Management)

QCDの品質(Quality)に該当するのが品質管理です。

品質管理は、数値として表すことが難しく、ないがしろになりがちです。

しかし、品質が低くては、顧客を満足させることができません。

えぷじぃ

品質管理では以下の項目を意識する必要があるんじゃ。

品質計画

品質計画は、プロジェクトの計画時点で、設定するものです。

品質を保証し、改善していくための組織、手順、経営資源を定義したものが品質計画と呼ばれます。

品質保証

品質保証は、品質計画が適切かどうかを判断します。

プロジェクトの実行プロセスによって出来上がる成果物や、そのプロセスが適切かどうかを保証することが品質保証と呼ばれます。

品質管理

品質管理は、品質計画や品質保証が適切に行われているかをマネジメントします。

計画や保証を行うことは、それぞれ別々に実施されます。

ですがそれぞれは統合的に管理されなければならず、その管理・マネジメントをすることを、品質管理と呼んでいます。

2-3. コスト・マネジメント(Cost Management)

QCDの費用(Cost)に該当するのがコスト・マネジメントです。

コスト・マネジメントは、プロジェクトを予算内に抑えるために行われます。

えぷじぃ

費用を管理する上で、原価管理は非常に重要じゃよ。

コスト・マネジメント計画

コスト・マネジメント計画は、費用をどのようにコントロールするかの方針や手順を決定し、文書化するものです。

プロジェクトの計画段階に実施され、労働者の労働日数(人日)や会計システムとの紐付けを行います。

コスト見積もり

コスト見積もりは、計画段階で設定した方針や手順に沿って、コストを見積もりしていきます。

外注するべきか、どんな資源を使用するべきかなどを見極め、プロジェクトに最適なコストを見積もることが求められます。

予算設定

予算設定は、方針や手順、そしてコストの見積もりを積算して、プロジェクト全体の予算を設定していきます。

予算設定のタイミングで、スケジュールをもとにコスト・ベースラインを引いていきます。

INFO

コスト・ベースラインとは

時間軸に対して、予算を設定していくこと。

コスト・コントロール

コスト・コントロールは、プロジェクトの進行を見守り、コスト・ベースラインを調整していくことを意味します。

2-4. タイム・マネジメント(Time Management)

QCDの納期(Delivery)に該当するのがタイム・マネジメントです。

プロジェクトには期限があり、タイム・マネジメントによってスケジュール作成や管理を実施します。

えぷじぃ

期限を守れないプロジェクトは、そもそもプロジェクトと呼ばん!
INFO

アクティビティとは

アクティビティとはPM用語で、プロジェクト業務の最小の要素を指します。

アクティビティから、タスクに落とし込まれます。

アクティビティ定義

アクティビティをタスクに落とし込みます。

期間、費用、リソースの情報をアクティビティに足すことで、徐々に明確なタスクとなります。

アクティビティ順序設定

アクティビティ間の優先度、緊急度を元に順序設定を行います。

アクティビティをやるべき順番を決める段階です。

アクティビティ資源見積もり

アクティビティを実施するのに必要な、人的資源や物的資源を見積もります。

アクティビティ所要期間見積もり

アクティビティを実施する所要期間を見積もります。

スケジュール作成

アクティビティをすべて並び終えた結果、プロジェクトとしての開始日と終了日を設定します。

スケジュール・コントロール

計画と実績に大きなズレがないことを把握し、ズレを調整していきます。

3. QCDでPMの理解するべきこと

QCDの基礎から、PMBOKに関わるQCDについて記載してきました。

すべて重要なQCDですが、要点を抑える必要もあります。

3-1. 顧客の特徴をつかむ

顧客の特徴を掴むことは、PMにとって非常に重要なことです。

顧客によっては、QCDにおける品質(Quality)よりも、納期(Delivery)を最優先する場合もあります。

もちろん、すべて怠ってはいけませんが、QCDのなにを最優先するべきかは把握しておく必要があります。

3-2. QCDの相関関係を理解する

QCDはそれぞれに相関関係をもっています。

  • 品質(Quality)をあげるためには、費用(Cost)と納期(Delivery)は大きくなったり、伸びたりする。
  • 費用(Cost)を下げれば、品質(Quality)がさがり、納期(Delivery)が遅れる可能性もある。
  • 納期(Delivery)を早めると、品質(Quality)がさがるが、費用(Cost)がうくこともある。

それぞれの相関関係を理解し、最適な解を見つけることは難しいですが、腕の見せ所です。

3-3. QCDの目標を設定する

QCDを行う上で、目標設定は欠かせません。

品質(Quality)は、顧客との間で握った品質を担保すること。

費用(Cost)は、200万円まで。

納期(Delivery)は、2ヶ月以内。

それぞれの目標を設定し、どうしたら達成することができるかをタスクに落とし込んでいきましょう。

3-4. 管理フレームワークを活用する

QCDを管理する上で、個人の勘や経験ではプロジェクトを回しきれません。

便利なフレームワークがあるため、それらを利用していきましょう。

フレームワークは、自分の力を広げるサポートツールです。

研修生J

WBS

WBSは、QCDの抱えるタスクの進捗を管理できます。

WBSとは、PMが利用する計画フレームワークの一つで、プロジェクトにおける作業を細かく切り分け、階層構造等で管理する手法のことです。

WBSでは、はじめに必要な作業の洗い出しを行い、細分化したあと、各作業に必要なコストや人員配分を割り出します。

ガントチャート

ガントチャートもWBSと同様に、QCDの抱えるタスクの進捗を管理できます。

ガントチャートとは、PMが工程管理に用いる表の一つで、作業計画を可視化できます。

棒グラフの一種でもあり、横軸で作業の進捗状況を表します。

バーンダウンチャート

バーンダウンチャートもまた、QCDの抱えるタスクの進捗を管理できます。

バーンダウンチャートとは、全ての作業を消化できるかが、一目で分かるグラフです。

バーンダウンチャートでは縦軸に「作業量」、横軸に「時間」を割り当て、残りの作業量を可視化します。

3-5. QCDの目標達成に付随で必要な管理

QCDで目標を設定して、WBS等のフレームワークを使って管理しても、QCDの目標を達成できないことがあります。

QCDには、関係するものが非常に多いため、一部の管理手法をご紹介します。

えぷじぃ

PMBOKは奥が深い。
すべてを理解するのは大変ですが、要点は抑えたいですね!

研修生J

スコープ管理

スコープ管理とは、プロジェクトの目標や作業範囲、成果物をきちんと定義し、管理することです。

  • 成果物スコープ(Product Scope)= プロジェクトで作成すべき成果物
  • プロジェクトスコープ(Project Scope)= 作業の範囲を明確にすること

それぞれを定義し、管理することで、どこまでやるべきかを明確にすることができます。

要員管理

要員管理とは、事業計画にもとづき策定する人員に関する計画のことです。

  • 人材配置
  • 人材採用計画
  • 異動計画
  • 能力開発計画

どんなスキルを持った人員を、どこに配置するのかを効率的に決めることで、プロジェクトを成功に導きます。

4. まとめ

QCDを広く説明してきました。

QCDは、PMBOKの10の知識エリアの3つを網羅している非常に重要な概念です。

しっかりと理解して、PMの第一歩を着実に踏み出しましょう!